明治高等・中学校校長 栗田 健

総明会第39回総会のご成功を祈ります

 昨年無事に創立90周年を祝った本校は、その栄光ある歴史をさらに伸ばすために、新たな挑戦の年を迎えています。中高教育の改革が著しい早さで進行し、大学改革と合わせて、教育界は激変のさなかにあります。僅かな停滞が決定的な遅れにつながる時期であり、新しい次代を担う人材の育成を使命とする中等教育は、最も困難な局面にあると言っても過言ではありません。この時に当たって、総明会が第39回の総会を迎えられることは、学校の過去・現在そして未来を考え、語り合う好期となるものと確信いたします。

 総明会には日頃から母校に深い関心を払っていただいてきており、感謝に堪えません。
卒業生の皆さんが毎年一度母校に集い、過ぎ去った日々への想い出をよみがえらせることは、学校が皆さんの心と体に残したものを確認する意味でも貴重なことであり、このような会合が永年にわたって受け継がれ、盛んに開催されていること自体が、本校の誇りともいうべきことであります。文化祭など、年次総会以外にも卒業生を母校で見る機会は多くありますが、その交流の密度の濃さは、そのまま本校の教育の成果と言っても良いでしょう。

 願わくば、この交流が、卒業生の間での親睦にとどまることなく、母校の発展に何らかの形で具体化するように、総明会の活動目標に母校への支援を加え、会員に呼びかけて頂きたいと思います。大学と同様、高・中学校においても、その学校の評価は卒業生の活躍によって定まりますが、卒業生の社会的活躍の成果が母校に還元され、それが後続の同窓生の発展につながっていることが、私立学校の最大の良さであります。本年の総会がその第一歩となることを祈願しております。ご盛会を祈ります。