今回の「Mな人」では、「68円ショップ・38円ドリンク」の店としてテレビでも紹介された、
「ゑびすや商店」取締役営業本部長の唐鎌孝行先輩(S56年卒)を紹介します。

M編集委員(以下M):まずはこの仕事に就くまでの経緯をお伺いします。
唐鎌先輩(以下唐):中・高時代は商業研究部、大学は商学部に所属していました。
簿記なんかを勉強していたのですが、すっかり忘れてしまいましたね(笑)。
その後数年間某有名企業の営業職を勤めていたのですが、
(既にゑびすやを経営していた)父に呼び戻されて、今に至る訳です。
企業に勤めている時から、うすうす「いつかは戻らなくては」とは思って
いたのですが、色々な業種を経験してみたかったので…。
M:「ゑびすや」はどのような店なのですか。
唐:父が昭和三十年ごろに千住で砂糖の粉挽きを始めたのが最初です。
その後乾物屋を経て昭和四十年頃に卸業になりました。
現在は、食品・雑貨を中心に卸兼小売をしています。
当時は店から富士山が良く見えましたよ。牛もいましたし(笑)。
現在では「お買い物ツアー」と称して、静岡や栃木からバスで来られるお客様もいらっしゃいます。
M:主な取引先はどのようなところですか。
唐:全国スーパー・ディスカウントストア、量販店、レストラン等や居酒屋などの飲食店…
大体全部で五百社くらいですかね…。
逆に、私たちの仕入れ先は大体千社程になります。
こちらも商売ですから、いかに安く買い取るか、仕入先との値段の駆け引きが重要になります。
M:噂によると、安く仕入れるためにかなりすごい事もされているそうですが(笑)。
唐:いや、そんな事無いですよ(笑)。
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店の中はこんな感じ。豊富な品揃えです。 |

M:ゑびすやで仕事をされてどれくらいになりますか。
唐:十五年くらいですね。
M:商売をする際に必ず心掛けている事はありますか?
唐:やはり「チャンスは逃さない」というのが一番ですね。一度逃してしまったら次はないわけですから。
常に全力を尽くすよう心掛けています。
また、私たちの店に来られるお客様の多くは主婦の方です。
そのため、「如何に安く、かつ飽きさせないか」が重要になってきます。
例えば、他の小売店で「出血大サービス」と銘打って投げ売りをしている場合がありますね。
そういう「大出血価格」が段々普通に感じられるようになってきて、
その他の小売店が高く感じられてきてしまう訳です。その心理を如何に突くか…
つまり如何に「安く見せるか」を考えさせられますね。
それに、こう言ってしまってはなんですが、お客さんは飽きっぽいんですよ。
どんどん新しい商品を投入していかないと、如何に安くても飽きられてしまうんです。
なので、パートさんに意見を仰ぐ事が良くありますね。
パートさんは殆ど主婦の方ですから、いいモニターになります。
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食料品が安いのはもちろん… |
こんなものまでこの値段!! |

M:現役生に対して何か一言お願いします。
唐:今から考えると、もっと勉強しておけばよかったな、と痛切に思います。
例えば英語や資格などの勉強もしておけば…と。ホームステイなんかもしてみたかったですね。
学校の勉強ももちろん重要ですが、それ以外の勉強も色々するといいと思います。
M:これから店舗をどのような方向性に育てていきたいですか?
唐:世界中の商品をどんどん取り入れていきたいですね。
日本人は有名ブランド…つまり「頂点」にある商品以外はなかなか買おうとしない傾向があります。
しかし「頂点」でなくても、品質が良く安いものは沢山あります。
安い事はもちろん重要であり、安く売ることが自分の一番の喜びなのですが、
「安かろう悪かろう」では意味がありません。
商品の品質にも自信を持てる「実質勝負」をしていきたいと思っています。
「ゑびすや商店」のアドレスは http://www.jdiscount.com
